占星術師は世界平和の夢を見るのか? (みえない大学新聞の思想)

占星術による世直しは可能なのか?みえない大学新聞!で追いかけてきた見果てぬ夢を、思考し、イマジンする。ルシエルの内観ノート。

「占星術師は人類の意識進化の夢を見るのだ!」 ルシエル&芳垣宗久対談より 

■ 占星術師は世界平和の夢を見るのか? 1 

さる5月17日に、「星からみる東アジアと僕らの幸せ」という占星術と世界情勢に関する対談を占星術業界ナンバー1の博覧強記の芳垣宗久くんと開きました。社会情勢を星から読み解くマンデン占星術。そこから今の社会情勢をどう読み解くかという、占星術的オタク話を、聴衆の理解度は全く無視して、自由に語ろうという企画でした。

ところが、この企画の直前にウエサクの満月があり、なんとその満月は太陽が僕のMC、月がICで起こるということで、「お前は一体何をするために生まれてきたんだ!」的な問いかけが内外から激しく起こってきて、僕は自分が何をしたいのかということをシビアに内観し、明確化しなくてはならないプロセスに入ってしまったのでした。

5月5日には星読みタリアさんの「ルシエル解体新書」の企画で、自分が占星術師になった理由をガチンコで話すことがありました。それは僕の魂の秘密に属するテーマでした。トランジットノードが獅子座に入る時でもあり、自己確認のときなのでしょう。

17日のテーマは、「祈り」と言うテーマでした。戦争が始まるかもしれない情勢の中で、一個人がいかに合理主義者であれ、できることは「世界平和の祈り」しかないと言う現実。個人の幸せをガイダンスすることが仕事である占星術師に何ができるのかと言う僕自身への問いかけ、それについて考えてみるよいきっかけでした。

僕は、子供の頃に20世紀少年的ヒロイズムから世界を救いたいという思いに取り付けれて、その延長から、神秘主義や瞑想の世界に入り、アセンデットマスターの声をきくようにもなりました。

一時期、毎日チャネリングが続くような体験もして、5年間、自宅に引きこもってシュタイナやユング、神智学の本を読んで暮らしていました。社会的には自分はなんの意味もない人間だという焦燥感にさいなまれながら、自分の人生は一体どこへいくのだろうと迷っていました。

その時に「神秘のサビアンシンボル」という松村潔さんの本に出会い、自分がなぜ、「世直し」にとらわれ天の声に呼び出されて生きるのかが理解できたのです。

それは僕の太陽シンボルの

065 : 革命的な雑誌が行動を呼びかける。
(言葉によるセンセーションで、抑圧されたエネルギーをかき立てる)

と月のシンボル

338 : らっぱを吹く女性。
(啓示によって、危機を打開する契機を大衆に告げ知らせる)

にありました。「危機を感知し、人々に告げ知らせる」 という個性なのです。

その日から僕は「占星術師を一生の仕事にする」と決意し、もうすぐ18年になります。35歳からのスロースターターですが、それ以来他のことは一切せずに占星術に取り組んできました。

占星術を始めたばかりの1995年に、日本で初めて13の月の暦=ドリームスペルを紹介した人の一人である小野満麻呂さんから、「赤い磁気の月」という銀河の紋章を受け取りました。

占星術師のキャラクターネーム、「ムーンライト・るしえる」のムーンライトはそこからきているのです。この名前は、大学の後輩が勤めていた宝島の少女ファッション誌、キューティーの占いページを連載を請け負った時にキャラクターとして作った名前で、自分でそれを名乗るつもりはなかったのですが、編集さんたちが「るしえるさん」と呼ぶのでそれを引き受けることにしたのでした。

そういうわけで、僕の占星術師としてのキャリアのスタートには初めから、13の月の暦(今の、マヤ・・占いやら鑑定やら何やらのオリジン)の創始者であるホゼ・アグエイアス氏の存在が影響していたのでした。

ポップな占いとして普及している今のマヤ占いブームですが、その本質は、この惑星=時間船地球号の破滅的な次元軌道を修正するための軌道修正プログラムでした。

地球はこれまで、1582年にローマ帝国ユリウス暦を修正して作られたグレゴリオ暦の12:60の波動リズムに乗って発展して来ました。

しかし、それは植民地主義と物質主義、資源の搾取、人種と富による差別を増幅させる破滅的なリズムであり、TIME=MONEYというテーゼによって、時間は非個性的な時給換算される直線的なものとして扱われてきました。

それによって、人間の時の過ごし方は、ミハエル・エンデのファンタジー作品「モモ」に表される「灰色の男たち」によって支配されてきたのです。

それに対して、アークトゥールスから派遣された銀河エージェントであるホゼ・アグエイアスは、灰色の男たち=時間泥棒たちから本来の時間を奪い返すために、13:20の銀河調波を持ったドリームスペルをもたらす活動をパートナーのロイディーンと共に、「世界平和のための13の月の暦改暦運動」を開始したのでした。

13の月の暦 パン ジャパン ライブラリー - ★「13の月の暦に替える平和の運動」とPANについて



その日本への普及活動の一環として、まず、ポップな占いとして多くの人にドリームスペルを知ってもらおうとして出版されたのが高橋徹さんの「マヤンカレンダー」でした。

実は、ドリームスペルは伝統的な民族的なマヤ暦とは違うもので、新たにホゼ・アグエイアスが「銀河のマヤ」として創案したものです。ホゼもその認識だったので、マヤ暦という名前にすることは禁じていたのですが、出版社は「マヤ暦」という名前でないと出版しないという条件をつけてきて、高橋徹さんも苦渋の決断でそれを飲んだのでした。

その本はその種の本としては大ヒットして、日本ではどんどん13の月の暦が広がり始めました。高橋徹さんや小野満麻呂さん、そして、今はそれぞれの流派を作って占いとして普及している人たちもその流れの中で13の月の暦、ドリームスペルと出会ったのでした。

僕も占星術の研究と並行して、13の月の暦のムーブメントに付かず離れずでコミットし続けていました。とはいえ、自分の中で、占星術13の月の暦の関係性が意識的なものであったわけではなかったのですが、昨年たまたま13の月の暦を伝えるセミナーの準備で

資料として「2012年への進化」ホゼ・アグエイアス自伝

2012年への進化―ホゼ・アグエイアス伝記 | ステファニー サウス, 柳瀬 宏秀, 井元 悦子 |本 | 通販 | Amazon


を読んだ時に、驚くべきことがわかりました。サビアンシンボルを世界で有名にした20世紀最大の占星術師とも言われるディーン・ルディーアとホゼ・アグエイアスが師弟関係に準じるようなとても親しい関係性だっということです。

ルディアがどんな思想を持っていた、原書がよく読めない僕にはよくわかっていなかったのですが、芳垣くんによるとルディアは占星術の普及が人類全体の精神の進化に貢献することを確信して、太陽星座のみで占う今日の12星座占いをアメリカで普及させようと1930年代に奮戦したのだが、時期尚早で理解されなかったということ。60年代にリンダ・グットマンという女性占星術師がその普及に一躍買って、アメリカで12星座太陽占いが若者の間で常識になったということを教えてくれました。

そして、「2012年への進化」によると1970年代、若き芸術学大学教授だったホゼは生徒たちに12星座でグループを作らせて、アートパフォーマンスをする課題を出したところ、ウッドストックの熱が冷めやらぬヒッピー学生たちは、それを「ホールアースフェスティバル」という今も続く地球環境を守る文化祭に発展させたのだということです。そして、その文化祭の実行委員会に一通のファンレターが届きます。「ホゼ君、君のプロジェクトは大変素晴らしい。人類の意識の進化に貢献する素晴らしい試みだ。 ディーン・ルディア」 というわけで、ホゼとルディアは出会うのです。

ホゼはルディアの本を愛読していましたが、1930年代の人でまだ生きているとは思っていなかったということです。

今回の企画で僕がこだわったのは、占星術師が世直しや世界平和を考えることは不自然なことなのか?ということだったんですが、占星術の現代的復興の裏には常に神智学や何らかの意識改革運動があったという事実があること。そのことが占星術の歴史に詳しい芳垣くんからも多くの情報が得られたのです。

ということもあり、「占星術師は世界平和の夢を見るのか?」という問いは、イエスであっても当然だということが、今回の対話から得られたかなと僕は思っています。

           (次回 占星術と祈りと魔法)